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2017-06-12

こんな街に「家」を買ってはいけない

こんな街に「家」を買ってはいけない (角川新書)」を読んだ。

私は広島のとある田舎に住んでいる。

このまま実家を相続すれば、住む場所で困ることはない。

徒歩圏内にはドラッグストアー、スーパー、郵便局、ファミレス、コンビニ、バス停、JRの駅、病院、学校がある。

今住んでいる地域は昔に比べて若い人やファミリー層が増えてとても便利になった。

家の外壁や水回りのメンテナンスは定期的に行われ、今のところ不便のない状態で保たれている。

しかし今住んでいる街と家が住みやすい環境であり続けるかはわからない。

家の寿命と自分の寿命が合うとは限らず、ましてや年をとったら掃除が楽な部屋数の少ない、防犯対策がしっかりとられたマンションの方が住みやすいかもしれないと考えることもある。

今の日本は人口が減少しているにも関わらず、住宅数は増え続けている。

こうした傾向は、都市部の方が圧倒的に多いそうだ。

とりわけ深刻なのは、都市部で多くの人が「終の住処」として購入する分譲マンションの老朽化である。分譲マンションの問題は、建物と所有者が同時に年老いる「2つの老化」だ。まず、購入時には若かった所有者も次第に年を取る。高齢となって老人ホームに入居したり、亡くなった後に相続人が賃貸に出したりすれば、空室化・賃貸化が進む。一方、建物自体も時間の経過とともに老朽化が進み、修繕や建て替えが必要になる。

35歳のとき、嫁にいくあてもなかったので中古マンションを買おうか迷ったことがあった。

ちょうど不動産の行政書士をやっていた方とお話しする機会があり、相談してみたところ、上記のような例を出されて止められた。

40歳でライフプランが変わる可能性もあるので急いで決めない方が良いこと、売りたいと思った時に希望価格で転売がうまくいくとは限らないこと、それらがうまくいかず老後になって苦しんでいる例をたくさん見てきたと言われた。

今思うと、この方のアドバイスに従って良かった。

「立地が良く、敷地や容積率に十分な余裕がある場合を除き、マンションの建て替えは非常に難しい。管理組合から相談を受けて実際に建て替えられるのは10件に1件以下というのが実情です」。つまり、ほぼ9割の分譲マンションは建て替えできず、老朽マンションとしてこの世に残り続けることになる。

終の棲家を考えると、自分の寿命と家の寿命を考慮して購入することも大事だ。

米山氏の試算では2033年、全国の空き家率は28.5%。およそ3軒に1軒が空き家となる数字だ。

私が50代半ばになる頃には、不動産の価値は今より下がる可能性が高い。

都心の便利な地域の価値はそこまで変わらないかもしれないが、都心郊外や地方の不動産価値はどうなることやら。

私が不動産の行政書士の方に相談した時は、建物の価値はすぐなくなるので、どうしても欲しいなら土地のある戸建てを薦められた。

(さすがに戸建ては選択肢になかった。)

空き家になると固定資産税が増えるそうだ。

不動産が「資産」だった時代が終わるとは、私の親の世代の人は思ってもみなかっただろうな。

政府は相続登記されないまま所有者が分からなくなっている土地を、公的な事業に利用できるようにする制度づくりに着手したようだ。

こんな街に「家」を買ってはいけない (角川新書) によると、郊外住宅地は「売る」こともままならなくなっているそうだ。

昔から言われていることですが、「家は地域で買いなさい」が鉄則です。新陳代謝を続けていく街はいつの時代でも輝き続けることができます。また、三世代が入り混じることで人間社会の文化や歴史が形成されていきます。

今住んでいる街が、ずっとこうだとありがたい。

従来であれば、両親が残してくれた戸建て住宅は、「財産」として、のちに続く子供たちの住居になる、賃貸用の運用資産として一族の生活を豊かにする、いざという時には換金してまとまったお金を手にできる、など本来不動産が持っていたはずの大きなメリットを何も感じることができない世の中になってきているのです。

私の場合、住むところがあるだけで感謝。

「江戸っ子も三代」とはよく言ったものです。三代が暮らすようになると、地域内の行事も次世代へと受け継がれるようになり、それぞれの家での歴史が積み上がっていきます。その集合体としての地域の文化、風俗が生まれてくるのです。

35歳で中古マンションを買おうと思った時は、ここまで考えていなかった。

「財産」ではなく、「利用」という観点から住宅を見るならば、住宅の利用価値は、年齢や家族構成、職業の変遷など、環境の変化によって大きく異なってくるはずです。(中略)それぞれのライフステージに応じて、最適な家を賃借する、そして人生最後の段階で、自分に合った家を買う。

今思うと、中古マンション買わなくて良かった。

転売できずに、仕事を辞めてセミリタイアすることもできなかったかもしれない。

周りの人が買っているからと自分も流されていたら、大変なことになっていたかも。

私たちはこれから、自らが置かれている環境の変化に対して、柔軟に対応できるようにトレーニングをしていかなければなりません。自らが稼ぐ、貴重なお金はそうした分野に注ぎ込まれるべきであって、住むという「利用価値」としての意味しか持たない自宅に対して、「大きな贅沢」をする余裕のある人はあまりいないはずです。

おひとりさまの私には、終の棲家は切実な問題。

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