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2017-08-22

営業キャッシュフローは長期投資をする上で大事な指標

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MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法を読んでいる。

作者の広瀬さんはサンフランシスコとニューヨークの投資銀行で、アメリカ株を中心に世界の株式のセールスや引き受けの仕事に携わってきたそうだ。
この本は米国式の投資手法の中で、日本株の投資にも使えそうなものがまとめてある。

営業キャッシュフローのよい会社に投資する

営業キャッシュフローとは、ある企業が商品やサービスを売ることで得た売上高から、原材料費などの支出を引くことで得られる現金収支を指します。

キャッシュフローは会社の実際のお金の流れを示すので、会社の実態を表す財務諸表とされている。
会社員時代、資金繰りが厳しかった頃にキャッシュフローの資料を作って役員に提示したことがある。
それから売掛金・買掛金の支払いサイトを見直してもらい、資金繰りは改善した。
キャッシュフローの考え方が一役買ったのだ。
売上や利益は操作できても、キャッシュフロー(お金の流れ)は不正をすることができない。
(もちろん、売上や利益を操作したことは一度もない。)

話は戻り、広瀬さんの営業キャッシュフローの良い会社に投資するポイントが

  1. 毎年着実に増えている
  2. 必ず純利益の数字より大きい(純利益の方が大きい場合は無理矢理利益を計上しているリスクがある)
  3. 営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー÷売上高)は15~35%の会社を狙う

とあった。

勉強のためにいくつか日本の企業の数字を見てみた。
(数字はカブドットコム証券の個別銘柄情報を参照)

①東芝

1.毎年着実に増えている→×
2.純利益の数字より大きい→〇
3.営業キャッシュフローマージンが15~35%→×

東芝は2015年に不正会計問題が発覚。
監査法人から「限定付き適正」意見を得て上場廃止は免れたが、債務超過になったことで8月1日付で1部から2部に降格。
東芝が2年連続で債務超過となった場合には上場廃止となる可能性が高いとされている。

②シャープ

1.毎年着実に増えている→×
2.純利益の数字より大きい→〇
3.営業キャッシュフローマージンが15~35%→×

シャープは台湾の鴻海精密工業の傘下に入って今月で1年。
中国など海外中心に液晶テレビ販売を大きく伸ばし増収。
今期は黒字転換予想。

③ソフトバンクグループ

1.毎年着実に増えている→〇
2.純利益の数字より大きい→〇
3.営業キャッシュフローマージンが15~35%→△

ソフトバンクグループは、ここ1年ほど数十億ドル規模の買収や出資を盛んに行なっている。

国内の利益で海外事業の赤字を賄っているようだが、海外投資が実を結ぶまで国内は好調でいられるだろうか?
国内の大手キャリアの携帯利用料はどこも高い。
ジャスティンビーバーのCMなんてどうでもいいから、もっと国内利用者に(利用料金で)還元しないとそのうちユーザーにそっぽ向かれると思う。
(私はそっぽ向いて格安SIMに変えたけど。)
投資をするには優良企業かもしれないが、利用はしたくない企業。

④トヨタ自動車

1.毎年着実に増えている→△(2016年までは増えている)
2.純利益の数字より大きい→〇
3.営業キャッシュフローマージンが15~35%→×

車に乗らなくなって10年以上経つ。
車に興味はないけど、トヨタは応援したい企業の一つだ。

⑤任天堂

1.毎年着実に増えている→×
2.純利益の数字より大きい→×
3.営業キャッシュフローマージンが15~35%→×

ポケモンGOや任天堂スイッチで盛り返してきた感のある任天堂だが、営業キャッシュフローと純利益を比べたら、純利益の方が高い年もある。
無理矢理利益計上している?
もし長期投資をするとしたら、今後の数字の見極めが必要になるな。

ついでにアメリカの大手企業も見てみることにする。
(数字はYahoo!FINANCEを参照)

⑥Facebook

1.毎年着実に増えている→〇
2.純利益の数字より大きい→〇
3.営業キャッシュフローマージンが15~35%→〇

Facebookはほとんど利用しないが、全ての数字が超優良。
米国株の営業キャッシュフローマージンの平均が11.9%前後とのことだが、平均を大幅に超えて50%代をキープしている。
ザッカーバーグ、凄い。

⑦Amazon

1.毎年着実に増えている→〇
2.純利益の数字より大きい→〇
3.営業キャッシュフローマージンが15~35%→×

今の生活はAmazonなくして成り立たない私だ。
特にAmazonKindleのおかげで本を置く場所を気にすることなく読書が楽しめる。

⑧Starbucks

1.毎年着実に増えている→〇
2.純利益の数字より大きい→△
3.営業キャッシュフローマージンが15~35%→〇

アナリストがスターバックスの投資判断を引き下げ。アメリカ国内でカニバリゼーション(店舗間での売り上げの奪い合い)が生じているという。
アナリストによると、1店舗の1マイル(約1.6キロ)以内に、平均3店の別の店舗が存在する。
ここ数カ月、スターバックスは来店客数を増やすことに苦戦している。

スターバックス、過去の強みが大きな弱みに? —— 投資判断引き下げ

日本はどうなんだろう?
私の場合は高いから、滅多に利用する機会はなくなったけど。

営業キャッシュフローは、今後長期投資をする上で大事にしたい指標だ。
ちなみに営業キャッシュフローマージンは一度チェックしたら、毎年ガラガラ変わる構造ではないため、四半期ごとに調べる必要はないそうだ。(よほどのことがない限り、儲けの構造は崩れない。)

ろくにキャッシュを生み出していない、「ごくつぶし」みたいな株をいつまでも抱いていても、じり貧になるだけです。そのへんのことを理解せずに、なんでも長期に保有すればいずれ浮かばれる式の思考停止な都市伝説を信じる投資家が後を絶ちませんが、それは「凍死家」への道だと肝に銘じて下さい。

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