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2017-10-03

思わず旅に出たくなる本

片桐はいりさんの「グアテマラの弟」を読んだ。

片桐はいりさんと言えば、『あまちゃん』、『かもめ食堂』、『シンゴジラ』など多くのドラマや映画に出ている個性派の役者だ。

私がファンになったきっかけは、『すいか』というドラマを見てからだ。

このドラマは大好きな作品で、DVDも持っている。

世のしがらみでガンジガラメになり、にっちもさっちもいかなくなり行き詰まっている30代半ばの信用金庫職員が、風変わりな人々が住む”賄い付き下宿”のハピネス三茶での出会いや出来事を通して、本当の自分を発見し成長してゆくドラマだ。

はいりさんは主人公の同僚の3億円横領犯を追う女刑事役だった。

出番はそんなに多くなかったが、印象的な風貌と演技に、私はすぐに虜になった。

普通の人ならコンプレックスであろう四角い顔も、ぱっつん前髪にボブのヘアスタイルにし、あえて顔の形を際立たせる潔さもいい。

そんな彼女には、グアテマラでスペイン学校を経営する弟さんがいる。

この本は、グアテマラにいる弟さんを訪ねた際のエピソードが書かれている。

役者というのは、脚本家の書いた言葉を自分の中に吸収し、咀嚼して演技として表現する。

「言葉」や「文章」に触れる機会の多い職業だが、演技の上手な人は文章の表現もうまい。

はいりさんの語るエピソードは、すべて映画やドラマのワンシーンのようだった。

長年の経験から、手っ取り早く自分の気持ちを伝えるには、動詞よりもまず形容詞から覚えたほうが早い、という裏技も使った。動詞はパントマイムで表現できるが、美しい、や、難しい、などの形容詞を体で表わすのは、ちょっと、難しい。

なるほど。

海外によく出向き、言葉の通じない人と接する機会の多い人ならではのコメントだ。

思わず旅に出たくなる本だ。




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